構造計画研究所は、産学連携して、主にコンピュータの技術を使い、世の中が抱えているあらゆる問題を解決していくことをミッションとしたデザイン&エンジニアリング企業です。多くの企業が開発を進めているIoT技術や耐震診断・改修設計などの建築領域において、さまざまなサービスを展開しており、私のいるチームでは、SBDという製造業における開発効率や品質の向上をサポートするサービスを取り扱っています。
SBDは主に製造業にて製品設計をしている方に向けたサービスです。製品のコンセプトを基にいくつかのアウトプットのパターンがある場合、最適な形をシミュレーションを通して提示できるというのが特徴です。
たとえば車の場合、安全性をどのように向上させるか、どうすれば空気抵抗を小さくできるか、熱を持つエンジン周りの部品の温度をどのように下げていくかなど、考えなくてはいけない項目が多岐に渡りますが、このような問題を解決するためにSBDを採用いただいています。
以前はメーラーで問い合わせの管理を行っていましたが、複数人で管理していると、見落としがあったり、返信したかどうかといったステータスを正確に確認できなかったりしたため、対応漏れが多く発生していました。
そこでこうした問題を防止するために、別の会社の問い合わせ管理システムを導入しました。しかし価格の高騰が著しく、当社メンバーの増員もあったため、ツールの見直しを検討することに。いろいろと調べた結果、クラウドで利用できることや機能・価格が希望に沿ったものだったので、すぐにZendeskへの移行を決定したという流れですね。
やはり対応漏れが一番の課題でしたね。担当者を日ごとにシフト制で分けていたので、引き継ぎがうまくいかず、対応が漏れてしまうケースが多々ありました。また、回答するために調査が必要になる際、お時間をいただくことがあるのですが、「お待ちください」とお伝えしたまま担当者が失念してしまう、といったことも。
加えて、お客様がヘルプセンターを閲覧せずに問い合わせてくることが多かったため、自己解決を促すためにヘルプセンターそのものを改善しよう、という動きがありました。しかし、現状のヘルプセンターは見づらく、検索ができない仕様だったため、ユーザビリティがよくなかったんです。
ヘルプセンターの改善について、ZeQの担当者から「まずはページのデザインをユーザー目線で使いやすいものにを変えるところから始めてみては?」とご提案いただいたことで、ZeQオリジナルGuideテーマテンプレートの導入を決めました。ZeQオリジナルGuideテーマテンプレートは、ユーザーが使いやすいように顧客目線で作られているので、導入後にすぐにヘルプセンターを公開することができましたね。その結果、よくある質問はお客様自身である程度は解決していただけるようになったと思います。
また、SBDの操作を習得していただくために「操作トレーニング」というサービスを用意しているのですが、内容を確認せずにすぐにソフトウェアを使い始めるお客様が多くいらっしゃいました。こちらのサポート工数が、通常業務を圧迫するほどかかっていたのですが、ヘルプセンターに説明動画を組み込んだことにより、問い合わせ数を減らすことができたのも大きな成果ですね。このような改善行動は、従来のヘルプセンターのままでは難しかったことでしょう。
(画像元:KKEの顧客向けヘルプセンターより抜粋)
お客様より「ヘルプセンターが以前より見やすくなった」と好評をいただいています。その一方で、お問い合わせする内容が決まっていて、ヘルプセンターの検索から入る方は「ヘルプセンターの項目が増えているため、検索をかけてもほしい情報を見つけづらい」といった声もいただいています。
そこで、お問い合わせをいただいたお客様にアンケートを実施したところ、約半数の方がヘルプセンターを使っていないということがわかりました。この結果を受けて、今後はヘルプセンターのコンテンツを精査しつつ、活用方法やヘルプセンターの導線をしっかりとアピールしていくことが課題だと考えています。
現在は問い合わせの内容によってヘルプセンターの記事を分類して掲載しているのですが、サービスの使い方や機能に関するものなど、それぞれの内容を関連付けて、お客様にとって必要な情報が見つけやすいサイトにしていきたいです。
また、製品の不具合などの技術的なサポートが必要な問い合わせに対して、きめ細やかなサポートを提供できるのが弊社の強みでもあるので、実地でのサポートが必要な領域には人の力をかけていくなど、システムと人とのサポートの棲み分けが構築できることが理想だと考えています。
マクロ*を組む作業は大変なものですが、Zendeskはテンプレートの種類や自動化で利用できるパターンが数多くあり、感覚的な操作感で、誰でも簡単に作成することができます。なお既にあるマクロをコピーして利用することもできるので、新しく作成する手間もかかりません。対応者の割り振りや調整などが以前よりも効率的になりました。
また社内メモ*機能により、経験の浅いメンバーへ問い合わせのステータスを引き継いだり、対応をフォローしたりできるので、部署全体で足並みを揃えて問い合わせに対応できるようになったことが大きい変化です。メンバーとの情報共有が非常に容易になりました。Zendeskはいろいろな使い方ができるツールなので、問い合わせに対する体制構築に悩んでいる企業は導入を検討してみてもいいかもしれません。
・マクロ*¹…回答のテンプレートのこと。テンプレートを必要に応じて修正することで、問い合わせへの早急な対応が可能になります。タグなどの自動更新にも使用可能です。
・社内メモ*²…メールやチャット履歴の表示の種類のこと。メモにはパブリックコメントと社内メモの2種類があり、パブリックコメントはチケットのCCに含まれているユーザーをはじめ、誰でも見ることができますが、プライベートコメントを閲覧できるのはZendesk環境にアクセスできるエージェント(実際にお客様とやりとりをする従業員)のみです。
いちばん多い声は、メンバー間でコミュニケーションが取りやすくなったことです。また、ヘルプセンターのリンクを、ワンタッチで回答に挿入することが多いのですが、初めてZendeskを使用するメンバーに使い方を説明すると「こんなに簡単なんですか!」と驚かれます。さらに、過去の問い合わせ履歴が情報資産として蓄積されていくので、検索して類似した問い合わせにすぐ回答できるというメリットもあり、サポート対応時間も以前より短くなっています。
Zendeskの他の機能も生かして、より効率的にお客様にSBDの使い方を教えられるような仕組みを構築したいです。Zendeskはとても使いやすく、顧客満足度のデータやそれに対するコメントもいただけるので、頑張ったことが認められているという実感があるのが良いですね。次は、展開した施策がどのくらいの効果があったのか分析できるように、Zendeskの分析機能を活用して、実績を可視化することを検討しています。
また、契約関連の情報はSalesforceで管理をしているのですが、問い合わせの具体的な内容はZendeskを確認しているため、一元管理ができていません。今後はツールを連携して、Zendesk上で契約に関する情報を閲覧できるようにしたいです。
サポートをいただくようになってからは、回答が迅速なことはもちろん、関連資料の提供もいただけます。おかげさまで、サービスの理解度がかなり深まりました。Zendeskに関する知識が深いだけでなく、こちらの要望に対して解決策や提案をいただけたりするので、とてもクライアントに寄り添った技術力のある会社だと思っています。