2025年6月のZendeskアップデートは、まさに“運用目線”の強化がテーマでした。
このコラムでは、2025年6月の最新アップデートで注目すべき7つの機能をご紹介します。
実際に触ってみたZeQメンバーの考察と、顧客体験向上・業務効率化に直結する使いこなしのヒントも交えて解説するので、ぜひ最後までお付き合いください!
プロシージャとよばれる対応手順に基づき、エージェントが取るべきアクションや返信内容を提案する「オートアシスト」機能*がさらに進化。
エージェントはAIが提案した文章のトーンをフォーマル・カジュアルなど自由に調整してから送信できるようになりました。誤字脱字や漢字の変換・文末の統一なども簡単に修正できます。
*...ご利用にはCopilotアドオンが必要です
▼提案文の編集画面でトーン調整が可能
思うような変換がされなかったり操作ミスをしてしまったりした場合には、Ctrl+Z(Macユーザーの場合はCommand (⌘) + Z)で簡単に元に戻せます。より柔軟な文章調整がシンプルな操作でできるようになるので、オートアシストの提案を気軽に試すことができるようになりますね!
アドオンで利用できる「プレミアムサンドボックス」において、Copilotの「オートアシスト」機能のコピーが可能になりました。
ZeQではこれまでも「オートアシストがどんなものか実際に試してみたい!」「新しいプロシージャの精度を試したい!」といったご要望をいただくことがありましたが、設定を駆使しながら本番環境内でお試しいただいていました。
プレミアムサンドボックスにオートアシストがコピーされることで、オートアシストを試してみたい方はもちろん、既に利用していて、新しいプロシージャの精度を試したい!という方にとっても嬉しいアップデートですね!
プレミアムサンドボックスの詳細については以下Zendesk公式サポート記事よりご確認いただけます。
グループやスキルごとに異なるチケット画面(コンテキストワークスペース)のレイアウトを割り当てることができる「コンテキストワークスペースのカスタマイズ」機能*。
そのコンテキストワークスペースにおいて、アドオン機能「Copilot」が分析したユーザーの感情(sentiment)・言語(language)・目的(intent)の3つの条件を用いて画面のレイアウトをカスタマイズできるようになりました。
活用シーンとして、感情がネガティブと判定されたチケットを管理者が確認する場合には、詳細情報が一覧で見えるようなレイアウトにする、といったことができそうです。
ただし、条件設定画面に表示される文言は英語となっています(2025年6月4日時点)。
今後の日本語対応に期待ですね!
*Enterpriseプラン以上でご利用可能な機能です
▼Copilotのインテリジェントトリアージで検出された要素を選択できるように
▼カスタマイズされたコンテキストワークスペース
メッセージング機能において、非アクティブ*な会話に対して自動でリマインダーを送信する機能が追加されました。
ユーザーから一定時間反応がないチケットに対して、最大3回までリマインダー送信が可能に。エージェントのキャパシティを自動開放できるため、オムニチャネル環境でも対応の最適化が進みそうです。
*非アクティブなチケットとは、所定の期間エンドユーザーから応答がないか、ステータスが「新規」または「オープン」以外のチケットを指します。デフォルトでは、エンドユーザーが直近10分間に返信を送信していないメッセージングのチケットが非アクティブと定義されています。
▼メッセージングの「高度」設定から有効化と設定が可能
生成検索機能によって、FAQサイトやナレッジベースでユーザーが検索した語句をもとにAIがクイック回答を生成して表示します。ユーザーが欲しい情報にすぐに辿り着けるため、自己解決率や顧客体験のさらなる向上が期待できる機能です!
なお回答生成数が月間10万件を超えると追加費用が発生するという制約がありますが、ZeQとしては、多くの企業にとって超過することを気にせずに利用できる水準だと考えています。
▼AIが検索語句に関する記事を参照してクイック回答を表示
※ヘルプセンターのテーマをカスタマイズしている場合には、生成検索機能が有効化されないことがあります。生成検索機能の詳細や、カスタムテーマを利用している場合の設定方法については、ZeQが運営するヘルプセンター内でご案内しています。
【新機能紹介】Zendeskヘルプセンターに生成検索(Generative Search)が登場
「組織」や「ユーザー」といった標準のオブジェクト(データ)とは別に、独自のフィールドと権限を設定できる「カスタムオブジェクト」機能。そのオブジェクト内で作成されたレコードに紐づく項目に変更が加えられた場合に、管理者がその履歴を確認できるようになりました。社内機器の貸与など社員間での持ち主変更が生じやすい社内サービス(ES)で活躍しそうです。
▼該当するレコードの「イベント」から変更内容の詳細が確認できる
QA(品質保証)において、オートQAによる評価と人間のレビュー担当者による評価の間の一貫性・一致度を測定する新しい指標「精度スコア」が導入されました。
Zendeskのうたう「高精度」な一貫性・一致度は精度スコアが75%程度の状態です。この指標に照らし合わせながら、 チーム内の品質評価の信頼性を見える化したり、導入効果を図ったりすることができそうです。ただし「何をもってGood・Badを判断しているのか」の基準はまだ非公開となっています。
▼「オートQA」タブから新たに「精度スコア」を確認できる
EAP(早期アクセスプログラム)として提供されていた「ダークモード」が、正式機能としてローンチされました。管理者が管理センターで有効化することで、エージェントはプロフィールメニューから画面表示の切り替えが可能になります。
▼目の疲労を軽減させる色彩
反映箇所はチケット画面だけ、またはSupportの画面全体です。夜間の作業や長時間の画面閲覧時に、目の疲れを軽減する効果が期待できます。
ただし実際に試してみたZeQメンバーからは、「アプリ画面やサイドバーはダークモード表示にならないので違和感がある」「文中の引用のハイライトが見えづらい」」という声もあがりました。
いかがでしたでしょうか?
今回のアップデートは、AI機能のパワーアップやそれに伴う運用の変化によって生まれた現場の声に応える内容が多かったように感じます。
凄まじい勢いでアップデートが進む一方で、生成検索機能の従量課金やオートQAの精度など、導入・運用時に押さえておきたい注意点も見えてきました。ZeQでは、コストや活用範囲を意識しながら段階的にAI機能を展開していくことで、業務負担を抑えつつ、ユーザー体験の質を高めていくことが重要だと考えています。
「AIを取り入れたいけれど、自社のニーズを満たす機能がわからない」「導入後に活用できるか不安がある」「段階的な導入をサポートしてほしい」というお悩み・お困りごとがあれば、お気軽にZeQへご相談ください!