ネット通販で購入できるものは年々増えており、現代では自宅から一歩も出ずに生活することも夢ではない。あらゆる企業がネット通販に力を入れ、顧客が購入しやすいウェブサイトを構築しようと日々改善を繰り返している。
しかし、いくらウェブサイトを改善しても、顧客の疑問がゼロになることはない。そのため、よくある質問のページを用意したり、チャットボットを導入したり、お問い合わせ用の電話番号を用意したりなど、顧客に対応するための手段を用意しておかなければならない。費用も手間も掛かるため、企業にとってはその運用がネックになることもあるが、顧客からの反応をダイレクトに確認できるお問い合わせ窓口は、ECサイトの改善に大いに役立つ存在だ。
今回はチャットボットを導入し、より購入しやすいウェブ環境の構築に力を入れている、メガネブランド「OWNDAYS」を運営する株式会社オンデーズ(以下、OWNDAYS)の社長室付PR統括マネージャー重村真実氏にお話を伺った。
より良い顧客対応を行うために、
他社のチャットボットから移行することを決定
2021年現在、世界12の国と地域でメガネとサングラスの製造・販売を行っているOWNDAYS。メガネやサングラスを販売する企業の中でもOWNDAYSの特徴といえるのが、ネット通販での販売に力を入れている点だ。昨今ではメガネをファッションの一部として捉える傾向があるが、本来は身体機能を補正する医療機器であるため、精確な視力検査やフィッティングは欠かせない。購入には来店が伴うのが当然のように考えられているが、その常識を変えようとしているのがOWNDAYSだ。
OWNDAYSのホームページでは、条件を指定して全商品の中から好みのメガネやサングラスを検索することができ、パソコンやスマホのカメラを利用して自身の顔にメガネの画像を合わせるバーチャル試着が可能だ。今使っているメガネをOWNDAYSに送れば、その度数に合わせた新しいメガネを送ってもらえるポストオーダーというサービスも用意している。
重村氏:「OWNDAYSではネット通販に注力したタイミングで、よりお客様が使いやすいサイト、お問い合わせがしやすいサイトにするためにチャットボットを導入しました。当初はZeQのチャットボットではなく他のツールを利用していましたが、価格や機能の面において課題があり、ZeQのチャットボットに切り替えることにしました。」
OWNDAYSが当初利用していたツールでは、
- 高額
- 管理画面への通知の不具合
- LINEアカウントが公式とカスタマーサポート用のアカウントの2つに分かれる
といった課題を抱えていた。
特に管理画面への通知の不具合では、チャットボットから有人対応に切り替えたいエンドユーザーがいた場合、その通知がオペレーターに届かないため、互いに応対を待つ状態となり、本来提供できるはずのサポートが提供できない状態となっていた。また、LINEアカウントが複数あることも、エンドユーザーからしてみればどこに問い合わせをすればいいのかが分からない。顧客のための機能であるチャットボットのはずが、かえって顧客が不満を抱える原因となっていた。
(出典:OWNDAYS ホームページ)
重村氏:低予算、チャットボットから有人対応へのシームレスな移行、シナリオの登録、Zendeskとの連携、スピード感、これらの条件を満たすツールへの乗り換えを検討しました。なおZendeskとの連携については弊社オペレーターから強い要望があり、重視していた項目です。
気軽に問い合わせできるのもチャットボットの魅力
返答が早い、便利といった喜びの声も
ZeQのチャットボットを使用し、実際にお客様の窓口となっているのが、OWNDAYSのカスタマーサクセス部門(以下、CS部門)だ。チャットボットをはじめ、電話での問い合わせにも対応している。
重村氏:CS部門の者からは、現在コロナ禍ということもあり、オンラインで購入される方が増えてきて、ウェブ上でもスムーズに質問して解決できる点が非常に便利だと聞いています。コロナ禍が始まる前の2019年では、チャットアクセス月平均数は1,264件ですが、コロナ禍以降は2,238件と2倍近く増えています。
コロナ禍により増加したチャットアクセス数だが、問い合わせの内容としては保証に関する問い合わせが多いという。OWNDAYSでは購入後の保証に力を入れており、「安心保証10箇条」というものを掲げている。例えば、購入後に度数が合わなかったり、購入後に家族から似合わないと言われてしまったりしても、レンズ交換や返金が可能だ。
重村氏:店舗では購入時に直接説明させていただきますが、ウェブではページに記載があるのみで詳しく説明することができません。そのため、ページの記載を見て不明な点はチャットボット経由でご質問を頂くことが多いです。
電話だと問い合わせのハードルが高く感じられる方もいますから、気軽にお問い合わせ頂けることがチャットボットの魅力だと思います。
さらにOWNDAYSでは、ここ2年程はいかにウェブで購入しやすいかという点にフォーカスして開発を進めてきた。バーチャル試着やポストオーダーもそのうちの一部だ。
重村氏:新しい機能・サービスをウェブサイトに実装した際、チャットボットを通してお客様からの反応を確認できる点でも、チャットボットは便利だなと感じています。機能に不具合があってもチャットから「~ができなかった」といったコメントをいただけるので、すぐに対応することができます。
また、最近では店頭の各商品のそばに、ウェブページが表示されるQRコードを貼る取り組みを開始した。店舗で試着してみたものの、よく考えてから購入したいという人は意外と多く、QRコードを読み取っておけば、後日オンラインから購入できる。店舗で聞けなかった質問も、チャットボットがあればオンラインで確認可能だ。
重村氏:自宅付近に店舗がないというお客様もいらっしゃいます。離れた大きなショッピングモールの店舗に来店いただいて、そこで購入を決断できなかったとしても、店頭の商品についているQRコードを読み取っていただければ自宅で購入することができますし、実際にそのようなケースが増えています。来店された際に、ウェブでも購入ができることを伝えると喜んでいただけることが多いですね。
実際ウェブで購入する際にチャットボットをご利用になられたお客様からは、返答が思っていたよりも早かったという声をいただきます。SNS感覚でやり取りができて便利だとのことです。また、チャットボットでは「あと何人待ち」という待ち呼表示があるので、待っている間は他のことができるのが良い、という感想も頂いています。
ネット通販にチャットボットは欠かせない
海外への対応にも活用していきたい
現在、メガネやサングラスのネット通販は海外では浸透しきっていない。そのためOWNDAYSは日本以外の国や地域でも販売を行っているが、ネット通販購入にフォーカスしているのは日本がメインとなっている。
重村氏:一部の地域ではすでに有人チャットを導入しており、シンガポールでは1日数百件のチャットのやり取りが発生しています。しかし日本国内で商品を製造しているので、特にコロナ禍では郵送の安全性や輸送時間の面でハードルが高くなっています。日本で運用がうまくいけば、将来的には海外でもネット通販購入に力を入れていきたいです。
ネット通販にフォーカスしている日本でも、チャットボットからの問い合わせが増えているとはいえ、お問い合わせ数を全体で見ると、チャットボットより電話からの問い合わせが多いとのこと。CS部門の多くは電話担当として配置されている。
重村氏:メガネは年齢が上がるにつれて必要になる割合が高くなるため、ご年配の方からのお電話でが多く、ウェブで購入される方の年齢は高くても30代、40代の方です。しかし、10年後、20年後ではネットでのお買い物に慣れている層が50代、60代になってきます。従ってチャットボット経由のお問い合わせはさらに増えるのではないかと考えておりますので、今後も継続的にチャットボットを活用していく予定です。
インターネットに慣れ親しんだ層が年齢を重ねていくにつれ、ウェブで完結するサービスや商品は今よりさらに増えていくだろう。より購入しやすい環境を顧客に提供できるかによって、企業の売上が左右されるのだ。ウェブで購入しているユーザーに、ウェブで購入しているまさにそのタイミングで、疑問や不満を確認できるチャットボットは、そのようなネット通販主流の時代に欠かせないツールとなっていくだろう。
ZeQのチャットボットはBOTから有人チャットへ容易に移行することができ、細かなカスタマイズにも対応している。Zendesk連携により、問い合わせの一元管理も可能だ。ぜひこの機会に詳細を確認してみて欲しい。
Zendeskの標準機能のWeb Widget/Answer Botを活用して、よりご利用シーンに応じて活用しやすいようにZeQが開発を行ったウィジェット製品をご用意しています。
お客様のご要望に合わせて、さらにカスタマイズを行うため、貴社のやりたいことがしっかり実現できます。