2025年8月のZendeskアップデートでは、AI機能の活用や運用の効率化に直結する機能が複数追加されました。
本記事では、Zendesk認定プレミアパートナーである株式会社ZeQの社内勉強会で、特に盛り上がったアップデート情報を厳選。日頃からZendeskを積極的に利用している上級者向けに、さらなるZendesk活用のヒントとしてお届けします!
Webウィジェットにログインユーザーの情報を連携
Zendeskで構築したヘルプセンター上にWebウィジェットを設置している場合、そのWebウィジェット経由で問い合わせをする顧客情報として、ヘルプセンターのログイン情報を簡単に連携できるようになりました。
この機能を使うことで、たとえば顧客がヘルプセンターにログインをした状態でチャットサポートを要求した場合にも、応対担当者は顧客に尋ねることなく、その顧客情報を把握することができます。またチケット画面に表示された顧客の関連情報から、過去のやり取りについても簡単に辿ることが可能です。
この実装にはコード開発が一切不要で、管理画面上の設定で完結します。エンジニアチームとの連携が障壁で実装を見送っていたチームにとっては嬉しいアップデートですね!
全ての担当者へドラフトモードを共通適用
応対担当者が返信の作成途中に操作を誤ってパブリック返信をすることを防止する「ドラフトモード」機能。
この機能の使用は担当者の個別設定に委ねられていましたが、システム管理者によって、すべてのエージェントに対して共通で有効化できるようになりました。
これまで各自の意識に頼っていた誤送信防止の取り組みを、システムで制御できるようになるため、管理負担の軽減にもつながりそうです。
AIエージェントがメールに対応
ZendeskのAIエージェントにおいて、チャットやメッセージングチャネルだけでなく、Webフォームやメールで受け付けた問い合わせに対しても、回答の自動生成・送信機能が利用できるようになりました。AIエージェントによる自動応答が多様な問い合わせ手段に対応することで、ますます活用シーンが広がりますね!
分析ダッシュボードでAIの活用率をチェック
Zendeskの分析ダッシュボード機能を担うExplore上で、アドオン「Copilot」の利用状況を可視化できるようになりました。「AIによって応対担当者へ提案された回答案がどれだけ採用されたか」や「AIによって文章を拡張したりトーン変更をしたりする機能はどれだけ使われたか」といったデータを数値化することができます。AIツールを活用した場合とそうでない場合のチケットとの応対品質の差を比較することにも活用できそうです。
AIがサポート業務においてどのように活躍しているかを数値根拠をもって検証することができるため、AI活用促進の判断や今後の体制づくりへの見通しがつきやすくなりそうです。
複数ブランド共通のヘルプ記事を作成
Zendeskで作成したヘルプ記事を、同じ環境内で管理する複数のブランド上で公開できるようになりました。
たとえば1つのZendesk環境下で「ファッション」と「インテリア」という2つのブランドを扱っている場合には、送料・配送指定日・キャンセルポリシーなどの内容は共通することがあります。そういった場合でも、同じ内容の記事をブランドの数だけ作成したり、記事の内容に差異が出ないように更新のたびに二重に管理をしたりする必要がなくなります。複数ブランドを展開するアパレル企業や、複数のゲームタイトルを扱うゲーム運営企業のお客様からご要望をいただくことが多い機能だったので、ZeQの社内勉強会では大絶賛でした。
承認機能が正式機能として提供開始
早期アクセスプログラムとして提供されていた承認機能が、正式機能として提供開始されました。イレギュラーな対応や内容の重要度など、独自に定義した特定条件を満たすチケットにおいて対応フローの中に承認ステップを組み込むことができる、これまで待望されていた機能です。担当者の属人的な判断に頼りすぎず安全な運営を実現するために、積極的に活用していきましょう!
おわりに
2025年8月のZendeskアップデートは、回答品質の安定化・ヘルプ記事管理の最適化といった側面で、細かい部分から日々の運用が強化された印象がありました。管理画面上の設定で高機能が利用できることも嬉しいですね。
進化するZendeskから目が離せません!