2025年7月もZendeskでは、カスタマーサポートの現場で役立つ機能が多数リリースされました。
なかでも特に、AIによる応対支援機能「Copilot」や、LINE・Instagramといったメッセージアプリの統合管理機能「メッセージング」での機能強化に注目です。

本記事では、Zendeskの導入・運用支援を行なっているZeQメンバーが、公式情報と実際の検証を通じて得た知見をもとに、現場でどう使いこなすか?という視点で新機能をわかりやすく解説します。

Copilotのオートアシストがさらに実践向きに

アドオンで利用できる「Copilot」は、応対担当者向けのAIアシスタントです。
そのCopilotに含まれる「オートアシスト」機能が強化されました。

リッチテキストでの提案文編集に対応

提案文編集のリッチテキスト対応によって、オートアシストの提案文も通常のチケット編集と同じ感覚で扱えるようになりました。これにより、オートアシストの提案内容をより柔軟にカスタマイズでき、エージェントの作業効率が向上します。

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過去の類似チケットを情報源として参照可能に

オートアシストが参照できるヘルプ記事や指示書(プロシージャ)がなかった場合に、新たに解決済みの類似チケットが参照されるようになりました。
ヘルプセンターの記事は汎用的に案内されていることもあります。日々の実対応が情報源になることで、個別ケースへの対応力が大きく向上しそうです。

なお、プライベートチケットや閲覧制限がかけられているチケットは情報源として参照されない仕組みとなっているようです。こちらはZeQ社内でも検証中のため、また公式見解が得られ次第更新します!

高度なデータ保護アドオンで、トリガによる自動墨消しを実現

アドオンで利用できる「高度なデータプライバシーとデータ保護」において、チケットコメントに含まれる個人情報をトリガで墨消しできるようになりました。
墨消しは一度実行すると取り消せないため、なるべく操作ミスを防ぎたいところ。トリガによる制御が可能になったため、人的な誤操作のリスク低減が期待できます。

なお現時点では日本語テキストへの対応状況が公式に明示されていないため、どこまで実用的かは事前調査したうえで取り入れていただくことをおすすめします。

参照:「高度なデータプライバシーとデータ保護(ADPP)」アドオンについて

QAレビュー担当者の匿名化で公平性が向上

応対担当者と顧客とのあらゆるやり取りをAIが自動で評価し、改善点の特定やフィードバックに役立てることができる品質管理パッケージ「Zendesk QA」。
今回のアップデートでは、レビュー担当者が評価・コメントを行う際に、その名前の表示/非表示を切り替えられるようにりました。
レビュー担当者が匿名になることで、評価における主観的な配慮がなくなり、率直かつ客観的なフィードバックが促進されます。

実際に取り入れる場合の設定も簡単です。QAの設定画面から「一般」タブを開くことで、いつでも表示/非表示の切り替えが可能となっています。

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メッセージングの自動化がより柔軟に

メッセージングで使えるトリガアクションが2つ追加されました。

▼メッセージングのセッションを終了する
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▼メッセージングからメールへ(ルーティングチャネルを)変更する
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メッセージングに関する自動アクションは、一定時間ユーザーから反応がないやり取りに対してリマインダーを送信したり、自動的に解決済みとして処理したりする機能が、最近新たに追加されたばかりでした。
今回のアップデートでは、「顧客にリマインドせずに会話を終了したい」「営業時間外に受け付けたメッセージングは自動でメールに切り替えたい」といったケースで活用できます。

まとめ:すぐ使える・活用できるアップデートが満載

今回ご紹介したアップデート機能は、毎日のサポート業務にすぐに取り入れ、活用できる機能ばかりでした。

特にCopilotは、実際に使って調整を重ねていくことで、自社のサポートスタイルを学習し、より高い効果を発揮します。

この記事を参考に、ぜひご自身のZendesk環境で設定画面や動作を確認してみてくださいね!