世界中の多くの企業に導入されている、カスタマーサポートウェア「Zendesk」。興味はあるものの、導入に二の足を踏んでいませんか。本記事ではZendeskの活用事例を紹介しながら、事例とともにZendesk活用のポイントについて解説します。事例を自社の運用に置き換えてイメージしてみましょう。
Zendeskとは
Zendeskは、日本を含む全世界10万社を超える企業に導入されているカスタマーサポートソフトウェアです。多くの企業のカスタマーサポート業務に対応できる、多彩な機能が魅力です。
Zendeskの活用事例4選
カスタマーサポートウェア「Zendesk」の活用事例を紹介します。
株式会社オロの事例
参考:
BtoB事業・1,000件以上のQ&Aでも効果を発揮するJ-ウィジェット活用事例
最初に紹介する事例は、基幹系情報システムなどのクラウドソリューションやデジタルトランスフォーメーションに関するソリューションを提供している株式会社オロの事例です。同社はBtoB事業を展開しており、Q&Aの登録数が1,000件以上のチャットボットと有人チャットの導入で成果を挙げています。
同社は、Zendeskのパッケージに含まれる機能の1つ「Zendesk Chat」と弊社ZeQが提供する「J-ウィジェット」を導入しています。同機能は、拡張性やカスタマイズ性に優れたオリジナルチャットウィジェットです。
実は、チャットボットはZendeskの導入以前も利用していました。以前はQ&Aデータをすべてチャットボットに手作業で登録しなければならないタイプのものでした。しかし、1,000件に及ぶデータの登録は膨大な作業量になること、自社製品のバージョンアップに併せてQ&Aも更新していくと、データの登録は1,000件を超えることを見越してZendeskとJ-ウィジェットに移行しました。
J-ウィジェットで作成したチャットボットに表示させる回答は、Zendeskで作成したヘルプセンター内の記事データと連動可能であるため、改めてQ&Aを作成する必要はありません。さらに、自社内でQ&Aの更新作業が完結するため、業者に任せるためのタイムラグも生じず、目まぐるしく変化していくIT業界にマッチしていました。
SOELU株式会社の事例
参考:
自己解決率5割・180時間の工数削減を達成!会員数急増をJ-ウィジェットで乗り切る
次に紹介する事例は、サブスクリプション型オンラインヨガ・フィットネスサービス「SOELU(ソエル)」(SOELU株式会社)の事例です。同社は、2020年から2021年の1年で会員が6~7倍に増えました。会員の増加を下支えしたカスタマーサービスで活躍したのはZendeskをベースにカスタマイズを行ったオリジナルAIチャットボット「J-ウィジェット」です。
SOELU株式会社は、チャットボットツールを導入するにあたり、3つほど比較検討していました。Zendeskに決めた1番の理由はコストです。他社製品は2倍以上の費用がかかりました。
しかし、導入しても、すぐに効果は得られませんでした。チャットボットの設計から始まり、集計環境を整えるだけで約2カ月かかった上に、当初の解決率は2割、3割程度と改善が必要な状態でした。問い合わせと回答のキーワードが一致していなかったり、適切なFAQが作成されていなかったりしたことに地道に対応すると、約7カ月後には解決率は平均5割を達成しました。
ZendeskとJ-ウィジェットの導入後、人が対応しなければいけない問い合わせは約50%削減。さらに、チャットボット内のフローをそのままオペレーターに繫ぎやすい形に変更したところ、問い合わせを確認する作業自体を減らすことができ、180時間の工数削減に繋がりました。
工数を削減できた分、メールなどで直接お問い合わせのあった方に対して、時間をかけて丁寧に対応できるようになったといいます。
ソニービズネットワークス株式会社の事例
参考:
コンタクトセンターの完全テレワーク化は可能!ソニービズネットワークスのZendesk×テレワーク事例
毎日、電話による問い合わせに対応するコンタクトセンターではテレワークの導入が難しいといわれています。
3つめの事例は、Zendeskを使ったチャットによる問い合わせやチャットボットの導入により、全社でテレワーク化を実現したソニービズネットワークス株式会社の事例です。
同社は、ソニーグループの中で主にBtoBのクラウドサービスを展開している企業で、高速インターネット回線やクラウド勤怠管理システムなどのサービスを提供しています。
Zendeskを導入しているのは、クラウド勤怠管理システムの「AKASHI(アカシ)」のコンタクトセンターです。さまざまな法人向けサービスの中でも、このシステムへの問い合わせは多く寄せられていました。勤怠管理システムは、専門性が高く、企業のコンプライアンスに関わる内容だからです。
オペレーターが電話口で対応するには限界があり、気軽に、かつ専門性の高い質問に対応できるようにする目的でチャットが導入されました。Zendesk導入の決め手は、ヘルプデスクの窓口がチャットだけでなく、電話やメール、問い合わせフォーム、FAQなどの複数チャネルから利用できることでした。加えて、既存のコンテンツとの連携が可能なことも決め手の1つです。
「AKASHI(アカシ)」リリース後、2016年6月はおおよそ半数がWebフォーム経由の問い合わせで、チャットからの問い合わせはごく少数でしたが、約1年半後にはチャットからの問い合わせが半数を超えました。現在は、テレワーク下で電話対応窓口を閉じていることもあり、90%強がチャット経由です。
同社は、顧客がチャットで問い合わせしたときのスピード感や簡単に問題が解決できるという体験を積み重ねたこと、テレワーク環境で電話サポートが受けられない状態が当たり前になってきたためだと分析しています。
「AKASHI」のチャットで回答を得るまでのレスポンスの速さに感動したユーザーが口コミで広めてくれたり、ユーザーのみが投稿可能なIT製品のレビューサイトでほとんどの方が「AKASHI」のサポートを高く評価してくれたりと、サポートの対応が企業の評価アップにつながっています。
今は、オペレーターの対応可能時間に限りがあることから、Zendeskをベースに開発されたのFAQ連動型のAIチャットボット「J-ウィジェット」を使った対応に期待を寄せています。
株式会社SUPER STUDIOの事例
参考:
API活用で対応漏れを防ぐ!Zendeskで問い合わせの一元管理・対応スピードを改善した株式会社SUPER STUDIOの事例
最後は、EC基幹システム「ecforce」(株式会社SUPER STUDIO)に関する問い合わせにZendeskを活用し対応している事例です。
400ショップを超えている「ecforce」の導入企業からの問い合わせに対応しているのが、同社のcustomer support unit(カスタマーサポートユニット)です。問い合わせの増加に対応したいと、問い合わせを一元化可能なツールの導入をコロナ禍よりも前から検討していました。
Zendeskを導入したことにより、クライアントから寄せられた問い合わせのうち、その日のうちに対応できなかった数を把握できるようになりました。さらに、同unitの業務に必要な従業員数の見当が付けられるようになったといいます。
実際に、同unitは従業員数を大幅に増やしました。少ない人数のときには誰がどの案件に対応し、どのくらい電話を受けているのかを把握できていましたが、メンバーの増加により、把握はおろか人事評価もしづらくなってしまいました。
そのような中で、Zendeskを導入したことで、大人数での問い合わせ対応を把握できるようになったといいます。Zendeskは、IP制限や監査ログといったセキュリティ機能も備わっており、誰が何をしているのか確認できるため安心感があるといいます。
Zendesk事例一覧はこちら
活用事例からみるZendesk導入がおすすめのケースとは?
活用事例を振り返りながら、Zendeskの導入で解決できることをまとめてみます。どのようなケースがZendeskの導入に向いているのか、参考にしてみてください。
問い合わせ数が多い場合
まずは、問い合わせ数が多い場合です。SOELU株式会社の事例では、急激な会員数の増加にもZendeskとJ-ウィジェットを使って対応していました。
問い合わせ数が多くなったら、Zendeskを導入して効率良く業務を進めましょう。
問い合わせ数を増やしたい場合
問い合わせの数を増やしたい場合は、ソニービズネットワークス株式会社の事例のように、電話やメール、メッセージングサービスなどの問い合わせチャネルを増やすことが有効でしょう。
事例で紹介されている通り、Zendeskは、複数チャネルの情報管理を一元化できるので、実際に問い合わせ数が増えても対応が可能です。
業務の自動化・効率化を図りたい場合
業務の自動化・効率化を図りたい場合については、株式会社SUPER STUDIOの事例が参考になるでしょう。同社の事例では、誰が何の業務をしているか把握して従業員数を増やしていました。
この事例のように業務の効率化を図るためには、まずは業務量を把握することから始めるといいでしょう。Zendeskなら業務の自動化はもちろん、効率化にも貢献できます。
問い合わせ対応を標準化をさせたい場合
株式会社オロの事例ではQ&Aを1,000件用意していました。問い合わせを標準化させたい場合、定型文を用意しておくのが普通でしょう。しかし、同社の事例のようにZendeskを使えば、Zendeskで作成したヘルプセンター内の記事データと連動させることができ、改めてQ&Aを作成する必要がありませんでした。
Zendeskを導入すれば、この事例のように効率よく問い合わせ対応を標準化することができます。
ヘルプデスクをテレワーク化したい場合
ソニービズネットワークス株式会社の事例は、全社でテレワークを実現したというものでした。この事例では、テレワークが難しいといわれているヘルプデスク業務もZendeskの導入によりテレワーク化できました。
同社の事例のようにテレワーク化が実現できた背景には、同社の顧客となる人も同様にテレワークをしており、電話よりもチャットによる問い合わせが大幅に増加したという事情もあります。
ヘルプデスク内での情報共有を円滑化させたい場合
ヘルプデスク内で情報共有を円滑化させるには、Zendeskで問い合わせ内容やその対応状況を共有するとよいでしょう。万が一、急な引き継ぎ等が発生しても、スムーズに対応することができます。
ユーザー情報と問い合わせ内容を紐付けて管理したい場合
Zendeskなら、ユーザーと過去にいつ、どのようなやりとりをしたのか確認することが可能です。以前説明した内容を何度も説明し直す必要がなくなるため、ユーザーにとって問い合わせの負担が減り、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。ただ問い合わせに対応するのではなく、対応を通して顧客との関係を築きたい企業にZendeskはおすすめです。
Zendesk活用のポイント
実際にZendeskを上手に活用するためのポイントをお伝えします。導入前にあらかじめ把握しておきましょう。
効果計測を行う
カスタマーサポートを担当している部署であれば、効果計測をすでに行っているかもしれません。Zendeskの導入後も、カスタマーサポートが計画通りに稼働しているかどうか確認しましょう。
効果が思いのほか上がらない場合には、何らかの問題が生じている可能性がありますので、業務を見直してみましょう。
カスタマーサポートでZendeskを活用するのであれば、導入前後で効果計測を行えば、導入効果を検証する参考数値になるでしょう。
積極的にAPIを活用する
API(Application Programming Interfaceの略)とは、ソフトウェアやアプリケーションなどのある部分を外部公開し、別のソフトウェアやアプリケーションと機能を共有することです。Zendeskは、多数のAPIを用意しており、自社ですでに使っているソフトウェアと情報を共有することが可能です。
Zendeskの機能すべてを動かすことができるAPIも公開されています。自社のソフトウェアと見た目はそのままにZendeskの機能を使うことができるため、ソフトウェアの入れ替えではなく、機能を追加するような感覚で導入できます。
コンサルティング・運用代行を活用する
Zendeskは、世界中の多くの企業で採用されており、どのような文化的背景のある方でも操作しやすいソフトウェアです。
しかし、自社のIT担当者がZendeskの導入を行うには、事前学習に加え、社内での運用方法や情報の管理方法などを検討するための時間が必要です。今すぐZendeskを導入して業務改善を図りたいと考えている場合でも、準備の時間が必要です。
そのようなときには、Zendeskのコンサルティングや運用代行を活用することも検討してみましょう。専門業者であれば、すぐにZendeskを始めることが可能です。併せて、自社に最適な運用方法を最速で知ることができ、導入直後から効果を感じることもできるでしょう。
Zendeskの活用事例多数!ZeQにご相談ください
Zendeskのコンサルティングや運用代行業者を検討するときには、Zendesk社の公認プレミアパートナーであるかどうかを確認しましょう。Zendesk社の公認プレミアパートナーであるZeQは、多数のZendeskの活用事例があり、今までの多くの経験が貴社に最適な運用方法をご提案します。
ZeQではZendeskの初期設定から各機能のカスタマイズまで対応しています。システム面だけでなく、問い合わせ内容を入力したときにどう反応するといいかといったコミュニケーション設計も得意としています。さらに、オペレーター人材が確保できない企業に代わり、チャット応対の代行も行っています。
まずはお気軽にご相談ください。
事例を参考にZendeskを活用しましょう
全世界10万社以上がZendeskを採用しているのですから、事例はその数だけあります。今回は、ほんの一部の事例をピックアップしました。さまざまな事例が弊社コラムやZendeskのホームページにも掲載されていますので、チェックしてみましょう。
自社にあった事例を参考にしながら、Zendeskをフル活用してみましょう。