Zendesk Answer Botとは?

Zendesk Answer Botとは、Zendeskが提供するクラウド型チャットボットサービスです。チャットボットとはAIを使った自動対話システムのことで、人間がチャットで話しかけるとAIがそれに対する最適な回答を返信する仕組みのことです。別名、AIボット、などとも呼びます。

最近ではECサイトで買い物をする際、商品内容などについてチャットで問い合わせ、といった光景をみられたことはないでしょうか?まさにこの仕組みこそチャットボットです。AIはお客様からの商品に対する質問に対し、多くの回答内容の中から最適な答えをみつけ回答する、というものなのです。

チャットボットは一定の範囲ではありますが人間の代わりにお客様に応対してくれます。これによりカスタマセンターの負荷・工数低減や、24時間365日お客様の質問に即時応答することによるお客様満足度(CS)向上などにつなげられる仕組みとして、昨今多くの企業で利用されている仕組みです。

Zendesk Chat上で動くチャットボットシステム

Zendeskには顧客とのコミュニケーションツールの一つとしてZendesk Chatと呼ばれる機能があります。カスタマセンターのメイン業務一つである顧客からの問い合わせ対応の一つの方法として利用されます。Zendesk Answer BotはこのZendesk Chatと連携して稼働する仕組みです。

カスタマセンターへのチャットでの問い合わせに対し、一定の質問に対し自動的に回答することで、カスタマセンター業務の負荷低減につなげられるだけではなく、質問に対する顧客の待ち時間をなくすことで、顧客の問題解決スピードを上げられ、これが顧客満足度向上につなげられます。

また、オペレータとの連携機能も充実しています。Zendesk Answerbotは自身で答えられない質問に対しオペレータにそのまま引き継げる機能も持っています。当然これまでの対応履歴なども含め引き渡しすることで、スムーズに引継ぎできるようになっています。

多くの国・企業での導入実績

Zendeskは世界中の多くの国で導入されており、その数は16万社を超えます。その中でも多くの企業がZendesk Chat およびZendesk Answer Botを導入し、カスタマセンター業務の改善に大きく貢献しています。

日本でもCyberAgentや医療メーカーのTEPCO、健康食品メーカーであるやずやなど、多くの企業で利用、顧客満足度向上につなげています。

カスタマセンター向けに特化した仕組み

多くのチャットボットサービスがある中、Zendesk Answer Botの最大の特徴は、カスタマセンター業務に特化した仕組みである、という点です。これにより他のチャットボットとは違い、カスタマセンター業務に使いやすい仕組みとなっております。

Zendesk Chatを利用されるユーザであれば、比較的簡単に立上げが出来、かつ短期間で運用開始まで進められる仕組みとなっています。また、チャットボットの設定もカスタマセンターの問い合わせ業務に特化したつくりとなっています。

Zendesk Answer Botを導入するメリットは?

カスタマセンターソリューションであるZendeskと連携して動作する、Zendesk Answer Botについてその概要を説明してきました。それではこのZendesk Answer Botを導入するメリットはどのようなところなのでしょうか?

Zendesk Answer Botはこれまでカスタマセンターが抱える多くの問題を解決しつつ、顧客満足度を向上させる多くのメリットを生み出す力をもっているのです。

セルフサポート型カスタマセンターの実現

Zendesk Answer Botの最大のメリットは、セルフサポート型カスタマセンターを実現できる点です。

これまでのカスタマセンターはお客様からの問い合わせ、質問にすべて「オペレータ」が対応していました。しかしながらカスタマセンターへの問い合わせ数が増加すればオペレータの負荷は増大、逆にお客様側を待たせることによる顧客満足度の低下が発生するなどの課題を抱える企業も多いのではないでしょうか?

Zendesk Answer Botはこのような問題を解決します。よくある質問や簡単な質問はAnswer Botが回答し、難しい課題はオペレータ側に引き継ぐといった形をとることで、オペレータの負担を低減します。

また顧客質問に対し24時間対応が可能となる為、顧客満足度向上にもつなげられます。

このようにカスタマセンターの自動化、すなわち「セルフサポート型カスタマセンター」を構築することは、カスタマセンター、顧客双方に大きなメリットをもたらします。

簡単に構築・操作が可能

2つ目のメリットは、比較的簡単に構築・操作が可能となっています。

導入時はプログラミングなどの専門知識は不要、数回クリックするだけで構築が完了します。また、設定についてもすべてGUIで設定できます。Zendesk Chat botは画面上で会話シナリオを作成、想定される質問をフロー形式で設定するため、難しい技術知識がなくとも設定可能なのです。

ワールドワイドでの利用可能

そしてZendesk Chat botのもう一つの大きなメリットが、多言語に対応している点です。Zendeskは世界の多くの国で利用されていますが、その大きな理由がこの多言語対応にあるといっても過言ではありません。英語、フランス語、中国語などメジャーな言語だけではなく、韓国語、ロシア語、アラビア語や、アジア・東欧諸国の多くの言語に対応しています。

また単に多言語に対応している、というだけではありません。言語間の変換を自動的に行ってくれるため、ユーザはどの言語を使うか意識することなく蓄積したナレッジや会話シナリオを複数の国や言語間で利用できるのです。

マルチチャネル対応が可能

さらにすごい点は、Zendesk Answer Botがマルチチャネルに対応している点です。Zendesk Answer BotはZendesk Chatと連携して動作する機能とお話ししましたが、実はほかのチャネルと連携して動作することも可能です。

例えばWebサイトやメッセージング、EmailやSlackなどSNSやメッセージングツールなどと連携して利用することも可能です。これによりセルフサポート型カスタマセンターにさらなる利便性を提供できるのです。

Zendesk Answer Botのデメリット・注意点は?

カスタマセンターにとって非常に便利なZendesk Answer Botですが、デメリットや利用するにあたって注意する点はないのでしょうか?実は導入するにあたりいくつか注意すべき点があります。ここではChat bot導入にあたり注意すべき点とその対処策について解説します。

日本語対応の不十分さ

1つ目は、日本語対応に不十分さがある点です。Zendeskは米国で発売されたソフトウェアであり、英語をベースとした製品です。よって製品サポートなどはどうしても英語が中心となってしまいます。製品の公式ドキュメントが英語しかないケースなどもあり、一部のユーザからは不満がでているようです。この点はある程度致し方ない部分はありますが、今後の運用面で問題が出ないか?事前に確認する必要があるでしょう。

Zendeskには無料トライアルサービスがありますので、不安な場合は無料トライアルで運用上問題がないか確認することをおすすめします。

Answer Botの応答精度

Answer Botですが、複雑な質問に回答するのは難しい部分があるようです。単純な回答や定型文での回答は問題ないのですが、日本語の自然文や複数の質問が混在するようなケースでは対応できないケースも出ているようです。

この点もあらかじめ無料トライアル等で動作確認し、求めるレベルの回答ができるかどうか?評価しておけば、導入後のトラブルを防げますので、事前評価をおすすめします。

運用に乗せるまである程度の期間が必要

Zendesk Answer Botは設定が簡単で早期立ち上げを実現できるとお話ししましたが、これを実際に運用に乗せるまでにはある一定の期間が必要です。オペレータとの連携や新たな運用訓練、チャットボットが多くの質問を学習するまでの期間などそれなりに期間を必要とします。

しかしながらこれは他のチャットボットを含むAIサービスを利用する場合には必要な期間であり、準備期間を短縮できるAnswer Botはこれら準備期間を含めても他製品より早期立ち上げが可能といえます。

Answer Bot導入時は立ち上げまでそれなりの期間が必要であることを認識したうえで、計画的に導入するようにしましょう。