Zendeskとは

クラウド型のカスタマーサービスソフトウェアを展開するZendesk。ベンチャー企業から大企業まで、業種や規模を問わず世界160カ国で10万社を超える企業で導入されています。

世界有数のリサーチ・アドバイザリ企業であるガートナー社の調査では6年連続で「リーダー」ポジションに任命されており、カスタマーサービス分野において業界をリードしています。

日本国内でも導入社数は増加しています。東京電力グループや、ソニーグループ、サイバーエージェントなどの大企業のカスタマーサポート部門や社内ヘルプデスクにもすでに導入されています。

 Zendeskの導入は、近年のカスタマー・エクスペリエンスの傾向からみる「デジタル化」「対応の迅速化」「多様化するチャネルへの対応」「ユーザー自身による自己解決の促進」といったテーマに対して、具体的な実現方法となりうるでしょう。

この記事では、Zendeskのストレージの概要やよくある質問についてお答えします。

Zendeskがもつストレージの概要

Zendeskではサービスの利用にともない、アカウントへ一定のデータ量が蓄積されていきます。理由としては、データが”ストレージ”と呼ばれる容量を保存する機能で管理されており、利用するプランに応じた容量が決められているためです。

ここではZendeskがもつストレージの基本的な情報に関して紹介をします。サービスを利用する準備段階として、まずはZendesk内のデータ計算方法について理解を深めましょう。

デフォルトのストレージ制限

データを管理するストレージは、主に2つの部分で構成されているのが特徴的です。具体的には、”データストレージ”と”ファイルストレージ”の2つが存在しており、それぞれ次に示す内容を意味します。

  • データストレージ:Zendesk Support内のすべてのストレージデータの合計サイズ
  • ファイルストレージ:Zendesk Support内の各ストレージデータに添付されているすべてのファイルの合計サイズ

こちらに関しては”個別データのサイズ(データストレージ)”と”データ全体のサイズ(ファイルストレージ)”に分けられていると考えると、理解しやすいでしょう。そして利用するプランによりますが、データストレージとファイルストレージには制限が設けられています。

ユーザーひとりにつき最大でデータストレージが200MB、ファイルストレージが10GBです。

プランに応じてストレージの制限量は変化するため、利用する際にはどのプランにするのが最適かを検討してみてください。

ストレージ使用量の計算方法

ストレージの使用量には、それぞれに目安が設けられています。1データあたりでどれだけの容量が埋まるのかを基準として、ストレージ全体の使用量が計算されるためです。

実際のデータ内容と各データのストレージ使用量を以下の表にまとめてみたため、参考にしてみてください。また表の情報は、”データストレージ”を基準として作成しています。

データストレージ ストレージの使用量

 

(1データあたり)

チケット 0.5 KB
チケットアーカイブ 0.5 KB
イベント 0.07 KB
ユーザーID 0.05 KB
タグ 0.05 KB
チケットメトリック(集計値)の設定 0.05 KB
条件設定フィールドの値 0.05 KB
チケットフィールドのエントリ(登録) 0.05 KB
添付ファイル 0.10 KB

そしてファイルストレージの場合は、アップロードされた添付ファイルのサイズにしたがってストレージの使用量が決まります。加入する予定のプランを考慮した上で、ファイルのアップロードをおこないましょう。

たとえばSuite Teamプランに加入していた場合、データストレージは1ユーザーあたり50MBです。したがって容量の範囲内で次のような利用ができます。

  • チケット:20,480枚(10MB)
  • イベント:20,480個(10MB)
  • 添付ファイル:102,400個(30MB)

このように最も安価なプランでも、十分な容量が確保されています。チームで利用する際も容量を気にせず利用できるでしょう。

アドオンの利用でストレージの上限を調整する

「ストレージにもっと余裕がほしい」と感じたら、アドオンを利用して上限値を増やすのがおすすめです。特に”Zendesk Professional”以上のプランに加入している方であれば、ストレージ増加アドオンを購入することで、ストレージの上限を増やせます。

アカウントのストレージは以下の単位で増やせるため、必要に応じて追加することで、より快適なサービス利用が可能になるでしょう。

プラン データストレージ ファイルストレージ
・Professional

 

・Enterprise

500MB 25GB

またストレージを追加する際の目安として、次の条件も参考にしてみてください。各ケースに当てはまっているかどうか要チェックです。

  • 今後数ヶ月の間に会社が成長して、チケットのボリュームが増えると予想されるとき
  • 他の企業よりも多くのデータストレージを必要としているとき
  • 非常に多くのカスタマーサービスデータを作成する予定がある場合

大容量データのエクスポートができる

Zendeskでは、2021年11月1日から2021年11月5日までの間に、データエクスポート機能の変更を実施予定です。変更の理由としては、JSONやCSVファイルといったデータファイルへのエクスポートで、4GB以上のデータセットを効率的にエクスポートできるようにするためです。

一定以上の期間でサービスを利用していると、次のようなことをチェックするケースがあります。

「月あたりでどれだけのデータ量を利用したか」

「過去のデータをファイル形式で保存して資料として残したい」

こうしたニーズに対応して大容量のデータをいつでも確認できるようにするべく、データのエクスポート機能に変更が加えられました。

現時点で利用する目処が立っていない人も、将来的に利用する可能性を秘めた機能です。サービスの利用にともない、”データのエクスポートが効果的におこなえる”ことを改めて確認しておきましょう。

サービスごとの料金プラン

 

Zendeskではサービスのグレードを、料金とサポート内容によって3段階に分けています。こちらは企業ごとのニーズやフェーズに応じて、柔軟なプランの変更を可能とするためです。

ここではサービスごとの料金プランについて解説をします。ストレージの容量に応じたサービスプランを詳しくまとめてみたため、これから契約を検討している方に役立つこと間違いなしです。

利用するプランに応じてストレージのサイズも前後するため、どのプランがベストな選択なのかを十分検討してみてください。

Suite Team

最も安価で基本的なプランが”Suite Team”です。プランの特徴としては、チケットの管理システムや顧客情報の履歴などをそれぞれ利用・確認できることが挙げられます。

プラン名 料金 サポート内容
Suite Team $49/月

 

※ユーザーひとりあたり

・サポートチケット管理システム

 

・Webサイト、モバイルアプリ、SNSでのメッセージに対応

・顧客の詳細とインタラクション履歴

・レポーティングと分析

・1,000以上のアプリとインテグレーション

プランは月額制で、ユーザーひとりあたり$49で利用可能です。

またサポート内容の”レポーティング”は、顧客満足度やユーザーのパフォーマンスを確認する際に便利な機能です。いずれのプランにも含まれているため、有効活用して自社サービスの品質向上に役立てましょう。

Suite Teamプランは、初めてZendeskを利用する方や各種機能を試してみたい方に向いています。小規模サービス運営サポートとして利用するのもおすすめです。

Suite Professional

全プランのうち最も利用しやすく、高い人気を誇るのが”Suite Professional”です。Suite Teamで利用できた基本のサポート内容に加え、より利便性の高いサポートも追加されています。

料金はユーザーひとりあたり$99とSuite Teamの金額を上回っていますが、料金に応じたパフォーマンスを提供してくれるため、利用の際も安心でしょう。

プラン名 料金 追加サポート内容
Suite Professionall $99/月

 

※ユーザーひとりあたり

・AIを活用したナレッジマネジメント

 

・サポートとコンテンツの多言語対応

・回答に関わる会話をスレッドで一元管理

サポート内容でチェックしておきたいのは、”回答に関わる会話の一元管理”です。ユーザーが担当するチケットの会話を中断することなく、社内外のチームメンバーを追加して共同でチケットの解決に取り組めます。効率的にチケットを消化したいときに大変便利です。

Suite Professionalプランは、どのような規模のサービスにも向いています。中規模から大規模のサービスで最もパフォーマンスを発揮しやすいため、導入の際の目安にしてみてください。

Suite Enterprise

Zendeskにおいてすべてのサポート内容を網羅しているのが、”Suite Enterprise”です。基本的なサポートに加えて、ユーザー・アクセス権の詳細な設定やメールの自動アーカイブ機能など、細やかなサポートが利用できます。

プラン名 料金 追加サポート内容
Suite Enterprise $150/月

 

※ユーザーひとりあたり

・ブランドに合わせてウィジェットをカスタマイズ

 

・変更管理のためのサンドボックス環境

・チームロールと権限をカスタマイズ

さらに特筆すべきは、ワークフロー管理のしやすさです。細かい条件を定めてチケットを管理したりユーザーが対応しやすいようにガイド機能を追加したりできます。

作業分担が細かく分かれている、大規模なサービスに適したプランです。各サポートを有効活用することで、管理にかかる時間を最小に抑えられるようになるでしょう。

よくある質問

Zendeskのストレージを利用する際に、メールの送信制限や添付ファイルの上限が知りたいと感じることがあるでしょう。契約時に明確な基準をチェックする機会もないため、そうした疑問が浮かぶのも自然なことです。

「ドキュメントストレージの有無が知りたい」

「ストレージ容量はどこで確認できるか」

ここでは上記のような疑問や不安にも解決できるように、よくある質問をまとめました。どのような問題が起こりやすいのか、参考にしてみてください。

メールの送信量に制限はある?

チケットから送信されるメール通知に送信制限はありません。一方例外として、Gmail Connectorでは1日当たり1,500件の制限があるため注意が必要しましょう。しかしその場合には、受信メールをZendeskサポートに転送する連携方法で、1日あたりの送信制限を気にせずに利用きるので安心してください。

またストレージのアップグレードや空き容量不足が必要である旨のメールが届いた場合は、メールプロバイダの制限かスパムが原因です。確認のためにメール管理者またはプロバイダに連絡をとってみましょう。

添付ファイルに制限はある?

記事・画像・添付ファイルについては、ファイルまたは画像のアップロードごとに20MBの制限があります。一方で記事に許可されている添付ファイルの数には、制限はありません。

また記事にファイルを添付する場合は、アップロード時のトラブルを避けるためにもクラウドストレージを活用しましょう。ユーザーがアクセスできるためにフォルダのリンクを共有しておくと管理が楽におこなえます。

アカウントのストレージ容量はどこで確認できる?

ストレージ容量はアカウント管理画面にて確認ができます。”設定”のなかの”アカウントの管理”から、ドキュメントストレージの使用量をチェックしましょう。

ドキュメントリポジトリにアップロードされたデータは、アカウントのストレージ容量全体に影響します。そのためアカウントのストレージ残量/使用量の合計を確認して、データが飽和しないように調整しておくのがおすすめです。 

失敗しないZendesk導入ならZeQ(ゼクー)にお任せください

Zendeskは、カスタマーサポート部門や社内ヘルプデスクにおいて、お問い合わせ管理・業務効率化をするのにとても有用なツールです。しかし一方では、機能が多岐にわたるため、初期設定が分からなかったり、現場運用にうまく組み込めずに利用を断念してしまったりするケースがあるのも事実です。

Zendesk認定プレミアパートナーのZeQは、7年以上に渡ってZendeskの導入・定着における課題をお客様に寄り添って解決してきました。構築支援から運用支援まで、Zendeskに関わるさまざまなサービスをご用意しております。

以下のようなお悩みがあれば、ぜひ一度ZeQへご相談ください。

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