カスタマーサービスプラットフォームのZendeskには、業務効率化につながるAI機能が搭載されています。AI機能を活用することで、問い合わせ対応の自動化や品質アップが見込めるため、生産性と顧客満足度の向上が期待できます。
本記事では、Zendesk AIの機能や、解決できる企業課題、さらに今後の展望を解説します。
Zendesk(ゼンデスク)とは
まずはZendesk(ゼンデスク)とはどのようなツールなのか、簡単におさらいしましょう。
Zendeskとは、カスタマーサポートやカスタマーサクセスなどの業務において、顧客からの問い合わせ対応や社内の情報共有を効率化・自動化できるクラウド型カスタマーサービスツールです。
もともとデンマーク・コペンハーゲンで開発されたツールですが、事業規模や目的などに応じて選べる複数の料金プラン、自社でセットアップやカスタマイズができる手軽な柔軟性、充実した機能で、日本国内でも導入企業が増加傾向にあります。
Zendeskの主な機能
Zendeskには、以下のように多様な機能が搭載されています。
- 問い合わせのチケット管理
- メールの送受信
- ヘルプセンター(FAQ)の構築
- クラウド電話
- オンラインチャット、チャットボット
- コミュニティページの構築
- 分析とレポート生成
Zendeskの機能についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせてお役立てください。
Zendesk(ゼンデスク)の機能を解説。すべて使いこなせていますか?
Zendeskの導入メリット
Zendeskを導入するメリットは複数ありますが、その中でも大きく分けて「CX(顧客体験)向上」と「EX(従業員体験)向上」があります。
Zendeskを活用することでいつ・誰が・どの問い合わせに対応したか可視化できるため、対応の漏れ・遅れを防ぎ効率的に顧客対応できます。さらにZendesk上でメールやチャットなどの顧客対応ができ、すべての履歴を一元管理して社内の情報共有が円滑になります。
また顧客への対応スピードが高速化したり、FAQやチャットボットなどで顧客自ら問題を解決できたりすることで、顧客との関係性が向上して満足度が高まるでしょう。
Zendesk AIとは
Zendeskはそのまま活用しても十分に効果が期待できますが、AI機能を活用するとより効率化が実現します。
Zendesk AIはカスタマーサービスに関する膨大なデータを基に学習しているため、CXに特化したAI機能となっています。見方を変えると、Zendesk AIは担当者の業務負荷を軽減したり問い合わせ対応業務を自動化したりしてくれる機能のため、EX向上の側面もあるでしょう。
それでは、Zendesk AIの具体的な機能について紹介していきます。
ボットによるメッセージング
Zendesk AIによって学習した内容を基に、チャットボットを構築できます。チャットボットとは、自動的に顧客とチャットでやり取りをする機能で、学習した内容を基にした受け答えや提案、さらには有人チャットへ引き継ぐための一次受付などが可能です。
深夜・早朝や土日祝日など自社スタッフを確保しにくい時間帯や曜日でも、Zendesk AIのチャットボットを活用することで24時間365日の顧客対応が実現します。
また問い合わせ内容に応じてヘルプセンターの関連記事を自動で提案し、顧客自身による問題解決を促進する機能も搭載されています。
回答テンプレート提案機能による業務効率化
Zendesk AIを活用すると、顧客からの問い合わせ内容に最適な回答テンプレート(マクロ)が提案されるため、業務効率化につながります。
またAIが顧客からの問い合わせ内容に含まれる単語や語句を解析し、過去9ヶ月間の類似チケットとそれらのチケットに使用された回答テンプレートの使用状況データから関連性の高いものを抽出・提案するため、回答をゼロから作成したり、過去に起きた同様のやり取りを自分で調べたりする必要がなくなります。
さらに問い合わせ対応画面では、AIによる顧客からの問い合わせ内容の要約や、文面からの感情抽出も確認できるため、顧客の視点に立ちつつ迅速な対応ができるようになります。
これらの機能により業務効率化だけでなく、新人でもベテランスタッフと同じレベルの対応ができるようになるため、対応品質の均一化が実現するでしょう。
ナレッジの蓄積・管理
ヘルプセンター(FAQ)に追加する記事の生成も、Zendesk AIがサポートします。箇条書きで情報を書くだけで自動的に文章を生成するため、ナレッジをすぐに追加・更新したいときにもスピーディに対応できます。
また文章のトーンも調整でき、カジュアルな言い回しからフォーマルな表現まで柔軟に変更して自社ブランドのトーン&マナーに合わせられます。
Zendesk AIで解決できる企業課題
Zendesk AIを活用することで、さまざまな企業課題を解決へと導きます。たとえば、以下のような企業課題がある場合は、Zendesk AIの活用をおすすめします。
24時間365日の顧客対応をしたいがスタッフを確保できない
顧客によってライフスタイルは多岐にわたるため、Webサイトを閲覧する時間帯も異なります。そのため、問い合わせ件数が増える時間帯が偏ったり、深夜・早朝に問い合わせが寄せられたりすることも珍しくありません。
しかし、すべての時間帯で十分にスタッフを確保することは難しく、時間帯によっては顧客から電話が来ても長時間待たせてしまったり、深夜・早朝や土日祝日などは問い合わせ窓口を閉めたりしなければならない場合もあります。
その点、Zendesk AIのチャットボットを活用することで、人手を確保することが難しい曜日や時間帯でも自動対応が可能になります。
人材教育に関するコストや時間を削減したい
カスタマーサービスなどの顧客対応窓口は、企業の顔とも言える部署です。対応の品質によって顧客に与える印象が変わり、企業に対するイメージにも大きく影響するでしょう。そのため、適切に人材教育を行い、一人ひとりのスキルアップと対応品質の均一化を図る必要があります。
ところが、日々の業務が忙しく、人材教育に十分なリソースを割けない企業も少なくありません。
Zendesk AIを活用することで、そうした課題を解決することが可能です。顧客からの問い合わせ内容に応じた回答内容の提案機能を活用すると、新人などの経験が浅いスタッフでもベテランスタッフと同じ品質の対応ができます。また社内FAQにナレッジを蓄積しておけばマニュアル代わりに活用できるため、人材教育のリソースを削減しつつ、対応品質の均一化が可能です。
顧客対応業務をその他の業務と兼任している
人手不足の企業や、そもそも問い合わせ件数が少ない企業は、顧客対応専任のスタッフを設けずに兼任しているケースも見られます。そうした場合、問い合わせ内容によっては長時間の対応が求められることもあり、対応工数が増えすぎてしまい、本来やるべきコア業務に充てる時間が少なくなってしまうケースが見られます。
そこで、Zendesk AIの機能を活用すると、顧客対応が自動化して対応工数を大幅に削減できます。アシスタント的な立ち位置でZendesk AIを活用し、本来優先すべきコア業務に集中できる時間を増やすことで、顧客満足度を維持しつつ自社の生産性も向上するでしょう。
今後のZendeskのAIに関する取り組み
Zendeskは、今後もAI機能を強化し、さらなる業務効率化や顧客満足度の向上を目指すことを発表しています。今後もより便利な機能がアップデートされていく予定のため、ECや製造業、小売業など顧客からの問い合わせが多い業種だけでなく、生徒や保護者とのやりとりが多い教育業界、患者とのやりとりが必要となる医療業界、クライアント対応が必要なBtoBビジネスなど、多様な業界・業種で活用されていくでしょう。
Zendesk AIの活用を検討しているならZeQに相談
ZendeskのAI機能は業務効率化につながるものばかりなので、活用することでCXとEXの両方の向上が見込めます。「問い合わせ対応の工数を削減したい」「営業時間外の問い合わせが多い」などの課題がある企業は、ぜひZendesk AIを活用してみましょう。
Zendesk AIの詳しい機能や活用方法については、お気軽にZeQまでお問い合わせください。ZeQはZendeskのパートナーランクにおいて最上位のプレミアパートナーに認定されています。Zendesk AIだけでなく、構築や運用サポート、コンサルティングも可能なので、ぜひ一度ご相談ください!